偏差値の求め方や偏差値の意味とは?偏差値60, 70は上位何%?偏差値についての疑問を解決!【高校生・受験生向け】

受験について

こんにちは、ケイです。

今回は受験で頻出の用語、”偏差値“について解説をしていきます。

高校生なら、模試や定期テストの結果が返ってきたときに必ず目にしますよね。
友達同士の会話、先生との会話、気軽に”偏差値”ってワードを使っていると思います。

しかし、

偏差値ってぶっちゃけ、どういう数値なのか、きちんと解説できますか

こういわれると、受験生ですら、「No」の人が大半だと思います。

偏差値を理解するには、数Bの、「確率分布と統計的な推測」の単元を学習している必要がありますが、
この単元をやらない高校も多いため、偏差値がどういう数値なのか、分からなくても当然です。

この記事では、偏差値について、「確率分布と統計的な推測」の単元を学習していない人にも分かるよう、解説していきます。

本記事のまとめ

  • 偏差値は、平均50から、自分がどれだけ離れているかを示す指標
  • 全体の点数の分布が、正規分布の形をしていなければ、正しい偏差値は出てこない
  • 偏差値は、テストを受ける人が異なると、偏差値も変わってくる

では本題に入ります。最後まで読んでいってくださいね!


偏差値の求め方

偏差値の公式

偏差値の公式については、軽く目を通していただくだけで問題ありません。

偏差値の公式は、以下の通りとなります。

$$\frac{10 × (自分の点数-全体の平均点)}{標準偏差} + 50$$

また、標準偏差は、

n人のそれぞれの点数を $x_1,x_2,…x_n$ 、n人の平均点を$x_a$とすると、
$$\sqrt{\frac{(x_1-x_a)^2+(x_2-x_a)^2…(x_n-x_a)^2}{n}}$$

以上のような計算を経て、偏差値を計算しています。

思っているより複雑な計算式で、特に標準偏差の計算が、非常に手間のかかる計算であることがわかると思います!

偏差値の意味について

偏差値の意味合いとしては、一言で説明すると、

もし点数の分布が、正規分布に近い形で分布していると仮定したときに、
平均を50として、どれだけ離れているのかを表した指標

このように表すことができます。

上の文の中で、正規分布、これはあまり聞いたことがないかな、と思います。

正規分布は、偏差値がどういう数値であるかを理解するのに必要なキーワードとなりますので、解説していきます。

次の見出しである、”正規分布について” は、少々難しい話になりますが、「こんな考え方があるんだ」程度で見ておいてください。

正規分布について

正規分布とは、統計学で用いられる、データの分布図のことで、以下の式

$標準偏差を \sigma ,データの平均値を \mu としたとき、$
$$f(x)=\frac{1}{\sqrt{2\pi\sigma^2}}\exp(-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2})$$

この式で描かれるグラフのことを正規分布曲線といい、
データ全体が正規分布曲線にしたがって分布することを、正規分布をとるいいます。

この正規分布は、統計学の分野において、
データを取って、もしそれが理想的に分布した場合、どのようにデータが分布し、散らばっていくのか、
というモデルとして扱われています。

上記の式で描かれる、正規分布曲線は、下の画像のようになります。

データの分布が、正規分布に近い形で分布している、とは?

少し難しい話をしましたが、ここからは、偏差値の場合について考えてみます。

先ほどの正規分布曲線を、偏差値の場合に置き換えてみると、以下の画像のようになります。

偏差値の意味合いを一言で説明した部分を再掲します。

もし点数の分布が、正規分布に近い形で分布していると仮定したときに、
平均を50として、どれだけ離れているのかを表した指標

つまり、点数の分布が、正規分布に近い形で分布していると仮定、の意味は、

偏差値を計算する上では、上記の曲線のように点数が分布している、と想定していますよ、

ということになります。

偏差値が意味のない数値になる場合とは?

先ほども言った通り、偏差値を計算する上では、正規曲線のように点数が分布している、ということを想定しています。

例を一つ挙げましょう。

例えば、これは極端ですが、点数の分布がこのようになっている場合はどうでしょう?

これは、山が2つできてしまっていて、下の画像と比べても、似ても似つかない形になっていますね。

特に、偏差値の計算では、偏差値50、つまり平均が最も人数が多い(最頻値)と想定しているのに、
上の画像では、平均は山と山の間の、人数が少ない部分となってしまっています。

正規分布曲線(偏差値の計算において、想定されている点数分布)

このような極端な点数分布となってしまった場合、偏差値は意味をなさない数値となってしまいます。

偏差値が意味のある数字なのかどうかは、
テストや模試の、全受験者の点数分布表を確認して、判断するようにしてくださいね!

同じ大学の同じ学部・学科でも、会社によって偏差値が違うのはどうして?

例えば、日本の最高峰である、東京大学理科三類の偏差値を見てみましょう。

ベネッセ 81
河合塾  72.5
東進    76

このように、会社によって偏差値の数値が変わっています。

これは、それぞれの模試を受ける人が違うからです。

例えば、ベネッセ模試のように、上位層から下位層まで幅広く受ける模試の場合は、上位層と下位層の差も大きくなってしまいます。
このため、偏差値が大きく算出される傾向にあります。

ここには駿台の偏差値は非公開となっており、ありませんが、
駿台全国模試のように、国公立大学~東大・京大を目指す人、つまり学力上位層ばかりが受ける模試では、
学力差は小さくなるため、上位層と下位層の差は小さくなります。
このため、偏差値は小さく算出される傾向にあります。

また、会社により、偏差値の算出の方法も異なっており
会社間で偏差値を比べる、というのは意味がないです。

模試の偏差値が下がっちゃった。。これって学力が下がったの?

模試を何度も受けていくと、偏差値が上下することもあると思います。
上がったときは嬉しいけど、下がるとやっぱり心配ですよね。

しかし、偏差値は、模試を受ける人が違うと、偏差値も変わってくるものです。

学校の定期テストであれば、受ける人は同じなので、偏差値の上下は重要ですが、

模試は、たとえ同じ会社の模試であっても、回によって受ける人は変わってきます

模試の偏差値の上下はあまり気にせずに、間違えてしまった問題を復習していって、
学力を伸ばしていきましょう!

偏差値○○の人は上位何パーセントなの?

これに関しては、まず大前提として、

点数の分布が、正規分布に近い形で分布している

この条件においての数値であることを理解しておいてください。

点数分布が正規分布に近い形で分布している時の、
偏差値が○○であるとき、上位何パーセントかの表を、下に掲載します。

偏差値上位何%か偏差値上位何%か偏差値上位何%か偏差値上位何%か
5050.0%6015.9%702.28%800.13%
5146.0%6113.6%711.79%810.10%
5242.1%6211.5%721.39%820.07%
5338.2%639.68%731.07%830.05%
5434.5%648.08%740.82%840.03%
5530.9%656.68%750.62%850.02%
5627.4%665.48%760.47%
5724.2%674.46%770.35%
5821.2%683.59%780.26%
5918.4%692.87%790.19%

このようになっています。
偏差値55,60,65,70の人は、それぞれ上位30.9%15.9%6.68%2.28%となることが分かります。

例を一つ上げると、100,000人が受けた模試で、

  • 偏差値50約50,000位/100,000人中
  • 偏差値55約30,900位/100,000人中
  • 偏差値60約15,900位/100,000人中
  • 偏差値65約6,680位/100,000人中
  • 偏差値70約2,280位/100,000人中

ということになります。

こう見ると、同じ、偏差値10上げるでも、
50→60の人と、60→70の人では、60→70の方が比べ物にならないほど大変で、努力が必要であることがわかりますね。

まとめ

偏差値は、あくまでも自分が全体から見て、どの位置にいるかを示すだけの指標です。

偏差値を正しく理解して、偏差値に振り回されることなく
学力を向上していけることを応援しています。

この記事を読んで、偏差値とうまく付き合っていけるようになったら幸いです。


本記事はこれでおしまいです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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