富山大学薬学部の魅力や特徴、入試科目や倍率、偏差値などの入試情報をまとめてみた【2021年度入試】【大学分析】

受験について

こんにちは、ケイです。

本記事では、富山大学薬学部について、受験生に向けた大学分析をしていきたいと思います。

私は、現在、国公立薬学部に在学中です。

薬学生であるという強みを生かして、他の人には分からない、独自の視点から大学を視ることができるのではないかと思っていますので、私は薬学部の分析記事を書いています。

分析の後には、他の大学分析の記事のように、富山大学薬学部の入試情報も載せていきます。

富山大学薬学部のまとめ

  • 和漢薬など、富山大学独自の授業が多くある
  • 薬学科の方が倍率が高く、難易度も高い
  • 後期試験がある、数少ない薬学部
  • 共通テストを利用しない、面接と小論文のみの推薦入試がある

それでは、最後まで読んでいってくださいね!


富山大学について

薬学部の分析を行う前に、まずは富山大学について紹介します。

富山大学は、富山県にある国立大学で、

  • 五福キャンパス(人文、経済、理、工、人間発達科学、都市デザイン学部、共通教育棟)
  • 杉谷キャンパス(医、薬学部)
  • 高岡キャンパス(芸術文化学部)

以上3キャンパスがあります。

五福キャンパスは富山市内にあり、富山県の中心駅である富山駅からは、富山地方鉄道市内線で約20分の距離です。
杉谷キャンパスは、富山市の中心地からは少し離れていますが、富山駅からはバスで約30分とそれほど遠くはありません。
高岡キャンパスは、他の2キャンパスとは異なり、高岡市に位置しています。高岡市の中心駅である高岡駅から、バスで約30分かかります。

それぞれのキャンパス間は距離がありますが、無料のキャンパス移動用のシャトルバスが運行されているため、キャンパス間の移動に困ることはあまりないでしょう。

学部は合計で9学部・23学科ある、総合大学となっています。

富山大学薬学部について

富山は、古くから、「薬都」と呼ばれており、その歴史は300年以上前の江戸時代にさかのぼります。

古くから、売薬が有名であり、全国に”富山=くすり”のイメージは定着しています。
現在では、多数の製薬企業が富山に本社をおいており、特に医薬品製造会社が多く集まっています。

そんな富山にある、国公立大学薬学部が、富山大学薬学部です。

富山大学薬学部の方針について

富山大学薬学部は、

  • 薬学部・薬学科(6年制)
  • 薬学部・創薬科学科(4年制)

と、6年制と4年制が分かれています。
富山大学薬学部は、前期日程のほかに、後期日程を設定しています。

近年、国公立大学の間で後期日程を廃止するという流れがあります。
これは薬学部も例外ではなく、後期日程を設定している薬学部は次第に少なくなっているため、
現状、富山大学は薬学部を、後期日程で受けられる数少ない国公立大学となっています。

また、学校推薦型入試が両学科ともあるのですが、
国公立大学の推薦入試では珍しく、共通テストを使用せず、面接と小論文のみとなっています。

特に薬学科の倍率は高いため、富山大学薬学部に行きたいという強い希望がある人は、検討してみても良いと思います。

薬剤師国家試験の合格率

下の表は、富山大学6年制薬学部新卒の合格率です。

 富山大学6年制薬学部(新卒)合格率薬剤師国家試験の全体の合格率6年制新卒者の合格率
第105回薬剤師国家試験94.44%  (51/54)69.58%84.78%
第104回薬剤師国家試験87.04%  (47/54)70.91%85.50%
第103回薬剤師国家試験86.27%  (44/51)70.58%84.87%
第102回薬剤師国家試験91.23%  (52/57)71.58%85.06%
第101回薬剤師国家試験88.89%  (48/54)76.85%86.24%

 

国公立大学薬学部の中では、合格率は低めなのですが、新卒者平均よりは十分高くなっています。

富山大学のメリットについて

和漢薬の授業を受けることができる

富山大学薬学部には、和漢医薬学総合研究所という、数少ない和漢薬専門の研究所があります。

和漢薬とは、古来、中国から輸入された中医薬の知識と、日本の伝統医学の知識を融合して作られた薬のことで、現代でいう漢方薬と似たようなものです。

そのため、一般的な生薬の授業に加えて、和漢薬に特化した、専門性の高い授業を受けることができます。

漢方薬と西洋薬(人工的に化学合成された薬)の使い分けについての授業など、臨床に即した授業も展開されています。

和漢薬の授業は、ほかの薬学部では受けることはほとんどなく、くすりの都にある富山大学薬学部の魅力となっています。

医学部と連携した授業がある

富山大学は、医学部の中で、医学科と看護学科が分かれており、医療職で主要な3職である、医師・看護師・薬剤師を養成する学部が揃っています。

そんな富山大学では、1年次に、医学部と薬学部が合同で受ける、「新入生医療学研修」という研修があります。

この研修では、2学部が合同で講義や実習を行うことで、医療人としてのコミュニケーション能力や道徳観を養成する目的で行われています。

この研修で、医学部の人と知り合いになることができることも大きいです。

1年次から、製薬企業や病院・薬局を見学する機会がある

1年次に、「早期体験学習」という授業があります。

これは、薬学科病院や薬局へ、創薬科学科は、製薬企業へ行き、
実際の現場を見学することができる授業となっています。

専門的な学習を行うモチベーションを高める目的で行っています。

1年次から病院や薬局、製薬企業に見学に行くことのできる大学は少ないため、貴重な経験となるでしょう。

富山大学薬学部の入試について

ここからは、富山大学薬学部の入試の情報について書いていきます。

偏差値について

河合塾のデータによると、

  • 薬学科(前期) 共通テスト得点率 74% 偏差値 57.5
  • 薬学科(後期) 共通テスト得点率 79%
  • 薬科学科(前期) 共通テスト得点率 67% 偏差値 55.0
  • 薬科学科(後期) 共通テスト得点率 76%

このようになっています。

難易度としては、国公立大薬学部の中では低めとなっております。
これは、国公立大薬学部の、約4割が、旧帝もしくはそれに匹敵する難易度であるため、全体から見ると低めになってしまうからです。

薬学科は中堅~難関の間くらい、創薬科学科は中堅クラスの難易度でしょう。

共通テストは今年度入試が初めてであり、予測がつかないため、
特に共通テスト終了後に、共通テスト得点率が大きく変わることが予想されます。

例年センター後に使うことができるようになる、バンザイシステムなどを利用して、共通テスト得点率の目安を知っておくとよいでしょう。

入試を受けるにあたっての注意点

富山大学薬学部を受けるにあたって、注意点がいくつかあります。

  • 他の国公立薬学部とは異なり、英語の個別試験はない
  • 共通テストでは生物が選択OKだが、個別試験では物理しか選べず、生物は選べない
  • 共通テストの英語は、リーディングは140点満点、リスニングは60点満点に換算してから、傾斜配点をかける

特に2つ目の、個別試験で物理しか選べず、生物が選べない、という点については、生物選択の人はそもそも富山大学薬学部を受けることができない、ということなので注意しましょう。

一般入試

一般入試の日程はこのようになっています。

  • 出願期間 令和3年1月25日~2月5日
  • 前期日程学力検査実施日 2月25日
  • 前期日程合格発表日 3月8日
  • 後期日程学力検査実施日 3月12日
  • 後期日程合格発表日 3月21日

前期日程

  • 薬学科(6年制)と創薬科学科(4年制)を別々に募集
  • 定員 薬学科 35名 創薬科学科 40名
  • 英語外部試験 利用しない
  • 2段階選抜(足切り) なし

各テストの配点・科目はこちらです。(両学科共通)

 国語社会数学理科外国語合計
共通テスト国語世B日B地B倫政数1A数2B簿情報物理化学生物英,(他言語) 
選択1科目××●(※) 
10050100100  100300750
個別試験     (数3含む)×  
     200200200  600
合計100504005003001350
備考●は必須科目、△はどちらか選択、×は選択不可

※共通テスト英語については、リーディングを100点から140点満点に、リスニングを100点から60点満点に換算し、そこからそれぞれ1.5倍して、傾斜配点(合計300点満点)を算出します。
これは、後期試験でも同様となっています。

後期試験

  • 薬学科(6年制)と創薬科学科(4年制)を別々に募集
  • 定員 薬学科 5名 創薬科学科 5名
  • 英語外部試験 利用しない
  • 2段階選抜(足切り) なし

各テストの配点・科目はこちらです。

 国語社会数学理科外国語合計
共通テスト国語世B日B地B倫政数1A数2B簿情報物理化学生物英,(他言語) 
選択1科目××●(※) 
10050150150  3003001050
個別試験     小論文面接  
     15080 230
合計     1280
備考●は必須科目、△はどちらか選択、×は選択不可

※英語については、前期試験配点の表の下参照

推薦入試

富山大学薬学部の推薦入試は、学校推薦型選抜となるため、高校の校長からの推薦状が必要となります。

富山大学の学校推薦型選抜では、共通テストは使わず、小論文と面接、その他出願時の提出書類で合否判定を出しています。

定員は、薬学科15名、創薬科学科5名となっています。

日程は以下の通りです。

  • 出願期間 令和2年11月2日~9日
  • 選抜実施日 11月25日
  • 合格発表日 12月4日
  • 入学手続き 令和3年2月22日まで

詳しい配点については募集要項に記載がなく、非公開だと思われます。

過去の入試データについて

過去の入試の倍率

ここからは、過去3年分の過去の入試の情報を掲載していきます。
(合格者平均点については、昨年分のみです。)

薬学部薬学科 前期試験一般入試倍率

 志願倍率(志願者数/募集人員)実質倍率(受験者数/合格者数)
令和2年度入試(2020)5.26倍(184/35)4.21倍(164/39)
平成31年度入試(2019)6.20倍(217/35)5.43倍(203/37)
平成30年度入試(2018)5.03倍(176/35)4.21倍(160/38)

 

薬学部創薬科学科 前期試験一般入試倍率

 志願倍率(志願者数/募集人員)実質倍率(受験者数/合格者数)
令和2年度入試(2020)2.73倍(109/40)2.00倍(100/50)
平成31年度入試(2019)2.88倍(115/40)2.06倍(109/53)
平成30年度入試(2018)2.98倍(119/40)2.18倍(111/51)

 

薬学部薬学科 後期試験一般入試倍率

 志願倍率(志願者数/募集人員)実質倍率(受験者数/合格者数)
令和2年度入試(2020)22.0倍(110/5)4.50倍(36/8)
平成31年度入試(2019)33.2倍(166/5)6.40倍(64/10)
平成30年度入試(2018)21.4倍(107/5)4.11倍(37/9)

 

薬学部創薬科学科 後期試験一般入試倍率

 志願倍率(志願者数/募集人員)実質倍率(受験者数/合格者数)
令和2年度入試(2020)6.0倍(30/5)1.2倍(6/5)
平成31年度入試(2019)4.6倍(23/5)1.5倍(6/4)
平成30年度入試(2018)6.8倍(34/5)2.0倍(16/8)

 

薬学部薬学科 学校選抜型入試倍率

 志願倍率(志願者数/募集人員)合格者数
令和2年度入試(2020)6.53倍(98/15)15名
平成31年度入試(2019)5.73倍(86/15)15名
平成30年度入試(2018)5.47倍(82/15)15名

 

薬学部創薬科学科 学校選抜型入試倍率

 志願倍率(志願者数/募集人員)合格者数
令和2年度入試(2020)1.4倍(7/5)3名
平成31年度入試(2019)2.6倍(13/5)4名
平成30年度入試(2018)1.2倍(6/5)2名

 

全体的に、薬学科の方が倍率が高くなっている傾向があります。

過去の合格者平均点

富山大学薬学部の、令和2年度入試(2020)入試の合格者平均点は、以下の通りです。

(薬学科・創薬科学科ともに、前期試験はセンター試験750点、個別試験600点満点。
後期試験は合格者人数が10名以下のため非公表となっています。)

前期試験合格者平均得点

薬学科:センター平均点数 605.4点 個別試験 409.8点 合計 1015.2点

創薬科学科:センター平均点数 546.8点 個別試験 312.7点 合計 859.5点

このデータから、センター得点率と個別試験の得点率を算出すると、

薬学科:センター平均得点率 80.7% 個別試験平均得点率 68.3%

創薬科学科:センター平均得点率 72.8% 個別試験平均得点率 52.1%

このように計算できました。

薬学科と創薬科学科には、合格に必要な点数に大きく差があることがわかりますね。
これは、薬学科の方が、人気が高く、入試倍率が上がるため、自然と難易度が上がるためであると考えられます。

最後に

ここまで富山大学薬学部について、まとめました。

受験は自分の将来を決める、重要なものです。必ず情報は自分で確認してください!

以下、参考資料です。

富山大学令和3年度一般入試募集要項
https://www.u-toyama.ac.jp/admission/guidebook/index.html


ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

進路選択の参考になれば、嬉しい限りです。

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