こんにちは、ケイです。
大学の前期試験まで、残り5カ月となりました。
大学からは、今年度の入学者選抜要項が続々と出ており、各大学を分析して比較しやすくなってきたので、
今回は金沢大学の薬学部について、入試に関わる情報をくまなく分析していこうと思います。
私も受験生の時には大学分析をして比較をしていきましたが、
その頃とはかなり状況が異なっていて、
受験業界は時の流れが早いなぁ。。と感じています。
少し長くなるかと思いますが、最後まで読んでいってくださいね!
金沢大学について
まずは金沢大学について、ざっと説明していきます。
金沢大学は、石川県金沢市にある、国立大学です。
キャンパスは、ほぼすべての学域・学類が集まっている角間キャンパスと、
医学類&保健学類のキャンパスである、宝町・鶴間キャンパスの2つとなっています。
学域・学類について
金沢大学の特色としては、
学部・学科という呼び方ではなく、学域・学類という区分の仕方をしています。
学域については、世間一般でよく言われる学部より、幅広い枠組みとなっています。
これは、自分の学類の専門的な知識のみならず、自分の専門外についても目を向けて、学習していってほしい、という意志の表れだと考えています。
2020年度時点では、3学域・16学類からなる、総合大学となっています。
また、2021年度の入試からは、新たな学域である、融合学域を新設して募集をするようです。
融合学域は、今までの理系・文系の区分にとらわれず、文系と理系の知識を融合させた専門知識をもとに、地域と世界に貢献し、社会を変革させていくリーダーを養成することを目標とする学域のようです。
2021年度入試で初募集の学類、つまり新設の学類として、
- 融合学域・先導科学類
- 医薬保健学域・医薬科学類
があり、医薬科学類についても、医学と薬学にまたがった、幅広い視点を持った研究者の育成を目指す学類であるようです。
金沢大学の方針について
ここ最近の、既存の分野の枠組みから飛び出した学類を作ろうとしている動きから読み取れることとして、
金沢大学全体としては、
- 既存の学問の枠組みにとらわれない、幅広い知識を持った人
- 自分の専門分野のみで物事を考察するのではない、多角的な視点を持った人
このような育成方針があり、金沢大学のトレンドとなっていることを知っておいてください。
金沢大学薬学部について
金沢大学は、先ほども言ったとおり、学域・学類を用いているため、正確には、
- 医薬保健学域・薬学類(6年制)
- 医薬保健学域・創薬科学類(4年制)
このような呼び方をしています。
しかし、今年度入試からは、創薬科学類の募集は無くなり、
その代わりに医薬科学類が新設されて、募集がされるようです。
新設される、医薬科学類について
今年度初めて募集される、医薬科学類ですが、
これは、
医学と薬学にまたがった、幅広い視点を持った研究者の育成を目指す
これを目的とした学類であり、非常に重要な点として、
- 薬学の基礎的知識も備えた、基礎医学・生命医科学領域を専門とする研究者を育成する、「生命医科学コース」
- 医学の基礎的知識も備えた、基礎薬学・創薬科学領域を専門とする研究者を育成する、「創薬科学コース」
- これらの2コースに、2年進級時に、本人の希望や成績に応じて振り分けされる
つまり、ここから言えることとしては、
- 従来の、薬学の知識だけ学ぶ形の、4年制薬学部はなくなってしまい、医薬科学類・創薬科学コースに変わった
- 必ず創薬科学コースに行けるとは限らず、入学後の頑張り次第である
このように、金沢大学の4年制薬学部は変化したようです。
金沢大学薬学部のメリット
ここからは、金沢大学薬学部の推せるポイントを書いていきます。6年制薬学部が多くなりがちですが、そこはご容赦ください。。
薬剤師国家試験の合格率が高い
金沢大学薬学部は、薬剤師国家試験の合格率が非常に高いことで知られています。
金沢大学6年制薬学部(新卒)合格率 | 薬剤師国家試験の全体の合格率 | 6年制新卒者の合格率 | |
第105回薬剤師国家試験 | 100% (35/35) | 69.58% | 84.78% |
第104回薬剤師国家試験 | 97.22% (35/36) | 70.91% | 85.50% |
第103回薬剤師国家試験 | 100% (34/34) | 70.58% | 84.87% |
第102回薬剤師国家試験 | 100% (36/36) | 71.58% | 85.06% |
第101回薬剤師国家試験 | 97.14% (34/35) | 76.85% | 86.24% |
上の表を見てもらうと分かる通り、金沢大学6年制薬学部の新卒の合格率は、ほぼ100%となっており、薬剤師国家試験の合格率が非常に高いことが分かります。
これは、6年制の薬学部志望者にとっては、非常にプラスになると思います!
学域内共通科目の存在
医療人としての共通意識や、知識を得るために、医学類・保健学類と共通した科目を取ることができます。
薬学部は、コアカリキュラムと言って、組まれているカリキュラムのうち、約6割はどの大学の薬学部でも同じとなっています。
そのため、大学側は、残りの4割で、大学独自のカリキュラムを組むのですが、
金沢大学では、医療人となる準備のためのカリキュラムを組んでいるようですね!
金沢大学薬学部のデメリット
金沢大学の、ここはもうちょっと。。という点について書いていきたいと思います。
生物選択の人は受験できない
金沢大学薬学部のデメリットとしては、これが一番大きいと思います。
金沢大学薬学部は、共通テストと、個別試験ともに、
理科は物理・化学の組み合わせでしか受けることができません。
つまり、高校で生物選択の人は、そもそも受験をすることができないのです。
これは私が受験生だった時も、どうして生物選択できないんだろう?と疑問に思ったところです。
キャンパスが広すぎる
金沢大学の、薬学部のある角間キャンパスは、医学類と保健学類以外が集まっているだけあって、
ものすごく広いです。
大学の中にバス停が3つあることからも、その広さが分かると思います。
学生の通学手段は、基本的にバスや、原付、自転車が多いようです。
また、角間丘陵地という、起伏の富んだ場所に角間キャンパスはあるため、自転車通学となるとなかなか大変だと思います。
なお、薬学類・創薬科学類がある建物は、バス停からそれほど遠くはないようです。
キャンパスが遠い
これは、金沢大学に、オープンキャンパスに行くと必ず出てくる感想ですね。
角間キャンパスまでの所要時間は、
- 金沢駅からバスで約40分
- 香林坊(金沢のショッピングの中心地)からバスで約25~30分
と、金沢の中心地からは少し離れた場所にあります。
そのため、大学付近に遊ぶ場所がありません。
(その分大学周辺は静かなので、学習には良い環境であるといえますが。。)
金沢大学薬学部の今年度の入試情報について
ここからは、薬学類と、医薬科学類の入試情報について書いていきます。
昨年度入試からの変更点について
昨年度入試までは、薬学類と創薬科学類を、一括して募集していて、
3年の後期の時点で、本人の希望や、成績に応じて振り分けが行われていました。
しかし、2021年度入試から注意してほしい点として、
- 創薬科学類を廃止して、医薬科学類を新設
- 一括募集はなくなり、別々に募集
このような募集の形となるようです。
偏差値について
河合塾のデータによると、
- 薬学類 共通テスト得点率 73% 偏差値 57.5
- 医薬科学類 共通テスト得点率 72% 偏差値 57.5
このようになっています。
共通テストは今年度入試が初めてであり、予測がつかないこと、また医薬科学類は初募集かつ、薬学類は定員削減のために倍率が予測できないため、
特に共通テスト終了後に、共通テスト得点率が大きく変わることが予想されます。
例年センター後に使うことができるようになる、バンザイシステムなどを利用して、共通テスト得点率の目安を知っておくとよいでしょう。
一般入試
一般入試の日程はこのようになっています。
- 出願期間 令和3年1月25日~2月5日
- 学力検査実施日 2月25日(前期日程)
- 合格発表日 3月10日
- 入学手続き期間 3月15日まで
薬学類(6年制)
- 日程 前期日程のみ
- 定員 53名
- 英語外部試験 利用しない
- 出願方法 Web出願のみ
- 2段階選抜(足切り) なし
各テストの配点・科目
国語 | 社会 | 数学 | 理科 | 外国語 | 合計 | |||||||||
共通テスト | 国語 | 世B | 日B | 地B | 倫政 | 数1A | 数2B | 簿 | 情報 | 物理 | 化学 | 生物 | 英,(他言語) | |
● | 選択1科目 | ● | 選択1科目 | ● | ● | × | ● | |||||||
100 | 100 | 100 | 100 | 200 | 200 | 800 | ||||||||
個別試験 | (数3含む) | ● | ● | × | ● | |||||||||
300 | 300 | 300 | 300 | 1200 | ||||||||||
合計 | 100 | 100 | 500 | 800 | 500 | 2000 | ||||||||
備考 | ●は必須科目、×は選択不可 |
医薬科学類
- 日程 前期日程のみ
- 定員 18名
- 英語外部試験 利用しない
- 出願方法 Web出願のみ
- 2段階選抜(足切り) なし
配点や科目は、薬学類と全く同じです。
薬学類・高大院接続入試について
今年度入試から、薬学類について、薬学類・高大院接続入試という名称の入試が、
金沢大学で行われます。いわゆる推薦入試に近いものとなっています。
この入試方式の出願要件は、
金沢大学の、薬学専攻博士課程までの教育を受け、博士の学位を獲得し、薬学教育・研究者を志している者
となっています。つまり、大学院まで進むことを条件とした入試方式となっています。
1次選考では、共通テストの成績と、調査書や志望理由書などの出願書類をもとに合否が決められ、
最終選考では小論文と口述試験により合否が決められます。
定員は10名となっています。
日程は以下の通りです。
- 出願期間 令和3年2月1日~4日
- 1次選考(書類選考) 2月9日
- 1次選考合格発表 2月10日
- 最終選考 2月12日
- 最終選考合格発表 2月16日
配点や科目は、以下の通りとなっています。
国語 | 社会 | 数学 | 理科 | 外国語 | 合計 | |||||||||
共通テスト(1次選考) | 国語 | 世B | 日B | 地B | 倫政 | 数1A | 数2B | 簿 | 情報 | 物理 | 化学 | 生物 | 英,(他言語) | |
● | 選択1科目 | ● | 選択1科目 | ● | ● | × | ● | |||||||
100 | 100 | 150 | 150 | 200 | 300 | 1000 | ||||||||
最終選考 | 小論文 | 口述試験 | ||||||||||||
50 | 100 | 150 | ||||||||||||
1次選考備考 | 共通テストの合格基準は、おおむね750点(75%)以上、もし志願者が募集人員を大幅に上回る場合、募集人員の2倍程度 |
この入試を行う目的としては、あくまでも推測ですが
- 現在大学院進学率が低い6年制薬学部の、進学率を上げることで、金沢大学の研究を発展させ、後々に教授になって、学生の育成に貢献していってほしい
このようなねらいがあるのかな、と考えています。
6年制薬学部で、大学院の博士課程に行くと決めている方には良い入試方式かなと思います!
過去の入試データについて
過去の入試の倍率
昨年度入試までは、6年制と4年制を一括募集であったため、今年度入試とは募集方式が異なります。
あくまでも参考程度にのみ考えてください。
医薬保健学域 薬学・創薬科学類 前期試験一般入試の倍率
志願倍率(志願者数/募集人員) | 実質倍率(受験者数/合格者数) | |
令和2年度入試(2020) | 3.1倍(199/64) | 2.3倍(18/80) |
平成31年度入試(2019) | 2.9倍(187/64) | 2.3倍(171/75) |
平成30年度入試(2018) | 4.1倍(263/64) | 3.3倍(251/77) |
平成29年度入試(2017) | 4.2倍(294/70) | 3.7倍(277/74) |
平成28年度入試(2016) | 2.6倍(184/70) | 2.3倍(170/74) |
過去の合格者平均点
薬学・創薬科学類の合格者の、センター平均点数と得点率、個別試験の平均点数と、合計点数の平均を載せています。
前期試験の合格者の点数(センター試験は800点、個別試験は1200点満点)
セ試平均 | セ試得点率 | 個別試験平均 | 個別試験得点率 | 合計点数平均 | |
令和2年度入試(2020) | 626.1 | 78.3% | 730.1 | 60.8% | 1356.2 |
平成31年度入試(2019) | 644.4 | 80.6% | 778.5 | 64.9% | 1422.9 |
平成30年度入試(2018) | 646.0 | 80.8% | 811.1 | 67.6% | 1457.1 |
平成29年度入試(2017) | 647.5 | 80.9% | 807.0 | 67.3% | 1454.6 |
平成28年度入試(2016) | 639.4 | 79.9% | 736.0 | 61.3% | 1375.4 |
過去のデータを見ると、試験の難易度にもよりますが、
合格者のセンター得点率は約80%、個別試験は60%から60%後半となっています。これぐらい取ればほぼ合格していると見て間違いないと思います。
最後に
ここまで金沢大学についてまとめていきました。
進路については、人の人生を大きく左右するものです。
私もできる限り正確な情報を載せて、個人的な感想や主観は最小限にしています。
ここの情報をうのみにするのではなく、ぜひとも自分で情報は確認していただきたいです。
最後に、この記事を執筆する際に、参考にしたサイトを参考文献として掲載します。
入学者選抜要項・学生募集要項(学域・学類)
https://www.kanazawa-u.ac.jp/education/admission/boshuyoko
厚生労働省 薬剤師国家試験のページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakuzaishi-kokkashiken/index.html
金沢大学について、分かっていただけたでしょうか?
進路の参考になれば、嬉しい限りです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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